ひと昔前の話しになりますが、私は、半導体部品業界に身を投じる前は、火力発電所の全体基礎設計エンジニアでした。超臨界圧の大量の蒸気が唸るマジンガーZのように聳え立つボイラーと波動砲のようなガスタービン。たったひとつの設計ミスで、大勢の人が死に、何十億、何百億円という莫大な損害が発生する。私はいつも、自分のエンジニアリングミスで人が死ぬかもしれないという暗黙のプレッシャーと毎日葛藤しながら仕事をしていました。
半導体部品業界に転職してほぼ10年。この仕事では私のエンジニアリングミスで直接的に死亡者を出すことはほとんどないとはいえ、自然と体に染み付いてしまった技術に対峙する姿勢、エンジニアリングに愚直に取り組む気持ち、一日の終わりにそこから開放され、会社を出て歩き始め、ふと我に返ります。「今日の自分は、全力を尽くしきれたか。。。。」
当初このプローブピン業界に来て、私が最も違和感を覚えたのは、製品の評価を「相性」という言葉で多々論じられること。本当に何が良くて何が悪いのか、それを「相性」という言葉以外で解決できるエンジニアリング・ソリューションが本当に存在しないのだろうか。 最先端といわれる業界でありながら、この言葉とのギャップに私はエンジニアとして苦しんでいました。そしていつしか「その解析手法を絶対に立ち上げたてみたい!」と思うようになっている自分に気づいたのです。
2003年の専業プローブピンメーカー「リンクマイクロ」の起業の原点はここにあります。一見乱雑に散らかっているデータ、複数存在するエフェクトファクター、それらを丁寧に切り分け、整理し、そこから霞んで見えてくる「真理」。それらをひとつひとつ積み上げて、テストプローブとはどうあるべきものなのか、ファイナルテストはどこへ向かっていけるのか、それをお客様の声を頼りに、愚直に進めてきました。そして、そのエンジニアとしての想いと蓄積したノウハウにより、「ホンモノ」プローブピンシリーズとして形をなし、さらにプローブピンの特性を左右するソケットのデザインのコンサルテーションとして提供するソリューションを広げてきております。
弊社の技術が本物なのか、何ができるのか、お客様ご自身の目、耳で直接お確かめください。どんな難題であっても、私ども「リンクマイクロ」は、独自のエンジニアリング技術とチャレンジ精神で、必ずやお客様がご満足いただけるコンタクト・ソリューションを提案させていただきます。
「リンクマイクロ」をどうかお引き立ていただきますようよろしくお願いします。